- 2020/04/28
- 院長のひとり言
- 鍼灸治療は免疫力アップが目的ではない!(4)
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このブログは4月22日から始めていますので
できれば4月22日の(1)から読んで下さい
以前は私も免疫力がバイ菌に打ち勝つために
鍼灸治療で免疫力を強くするのだと考えていたので
免疫の事を勉強して
免疫の本当の姿を知った時には驚きました
痛み、発熱、咳、鼻水、頭痛、倦怠感など
風邪の症状はバイ菌がおこしているのではなく
自分自身の免疫がおこした症状だったのです
では鍼灸治療で免疫力がアップすれば
症状は悪化してしまうのではないだろうか?
ところが
風邪の患者さんに鍼灸治療を施しても
悪化する事なく症状が改善するのは
とても不思議に思いました
やがて鍼灸治療は免疫力をアップしているのではなく
免疫システムを含めたすべての臓器、器官の働きを
円滑にするように作用し「ちょうどいい」
調和の取れた免疫力を発揮するのではないだろうか?と
考えるようになったのです
中医学に陰陽論という概念があります
火と水、上昇と下降など
対立する二つの事がらには
「陰陽互根」といい、実はお互いに依存している
「相手があるから自分がある」的な概念があり
その中に「陰生陽長」とう考え方があり
大きな火を消すにはたくさんの水がいる
急上昇すると急下降するように
片一方のエネルギーが強いと
もう一方も大きなエネルギーになる
この考えを風邪のバイ菌と免疫力に当てはめると
免疫力が最高潮になるとバイ菌の抵抗も最高潮になる
結果として症状がひどくなる
漢方に中庸という言葉がありますが
どちらかに偏ることなくその人の「ちょうどいい」
バランスで調和の取れた状態を中庸といい
健康に暮らすためには中庸が一番よいとされています
鍼灸治療では毎回、陰陽、表裏、寒熱、虚実などの「証」を診て
それらが「ちょうどよい」中庸の状態になるように
気・血・水の巡りを調節して治療します
結果的に免疫システムが一番効果的に作用する
「ちょうどいい」中庸の状態に保つ事ができ
必要以上に自分の身体に負担をかけないので
症状が悪化せずにバイ菌に打ち勝つことができるのだと
私は考えています
つづく
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