• 2021/11/13
  • 鍼灸・東洋医学
痛みがとれて卒業する人と痛みが消失しても通院する人


3〜4年前から坐骨神経痛で近所の整形外科へ通い

1〜2ヶ月前から急に症状が悪化し

別の整形外科へ行き第4腰椎すべり症と診断され

通院していたが症状は悪化し


次に別の整形外科へ行き股関節周囲炎と診断され

通院していたが症状は悪化して

家の中を歩くのもままならなくなり


見かねた娘さんがインターネットで

当院を探して来院された75歳の女性


当院で診察した結果梨状筋症候群だった

7月は1日おきに15回

8月と9月は2日おきに9回ず通院してもらい

症状がほぼ消失したので

10月は1週間に1回の通院で経過を観察し


11月に入り

「痛みも無くなり調子がいいので通院を止めて

しばらく様子を見ようと思うのですが」と言う


今までであれば「良かったですね

今日で治療は終了します、卒業おめでとう」と

言っていたのだが


今日の私は「どうなっても知らんよ」と言った


とても突き放した冷たい言い方だが

この方のようなどこへ行っても何をやっても

何年間も悪化の一途をたどり

当院で3ヶ月ぐらいで症状が消失して

治療を止めていった人は数えきれないが


みなさん半年も経たないうちに出戻ってくるからだ


私としては患者さんの痛みが消失して

辛い状態から解放されて

「もう結構です!ありがとうございました」と

言われて嬉しく無いはずがない


しかし


そこで良かった良かったと

卒業させた人達はみんな

半年後に最初と同じようなひどい状態で

辛い思いをして戻ってくるので


いくら嬉しくても良かった良かったと

卒業させてしまうと

患者さんのためにならない


基礎疾患がないぎっくり腰や

寝違いの患者さんには

「今日で卒業ですよ」と

こちらから言うのだが


この患者さんのように

基礎疾患がある場合は

十中八九再発してしまうので

卒業させたら再び辛い思いをさせてしまう


だから当院では症状が消失しても

1ヶ月〜3ヶ月に1回程度は通院してもらいます


私の指導を守って通院をしている人達は

不思議な事にたまにしか施術していないのに

何年たっても痛みがぶり返すことはほとんど無い


この臨床結果から私は

基礎疾患のある人の手を安易に

離してはいけないと思っている


だから冒頭のような

冷たい突き放した言い方になったのだが


丁寧に説明してこの患者さんも

1ヶ月に1回は通院することを

約束してくれたので

ホット胸をなでおろしたところでした


治療は痛みが無くなったからといって

卒業して良い人と悪い人がいるのです。




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