NHKの朝の連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」で
あんこ作りのシーンで「小豆の声を聞け、美味しくなーれ」
という呪文のような言葉をいいながら小豆を
かき混ぜる場面が何度もあった
最近お城めぐりをしていると穴太衆(あのうしゅう)という
石垣を組む専門集団がいて
野面積(のずらづみ)という天然の石をランダムに積む
石垣の最高峰の穴太積みという石垣があり
綺麗に整形された石を積む工法よりも
天然の石をランダムに積み上げた穴太積のほうが
頑丈で何百年経ってもびくともしないそうだ
穴太衆には「石の声を聞け」という口伝があり
静かにじっと石を見つめていると
その石の置く場所が分かってくるそうだ
そういえば
鍼灸師も患者さんを診察するときに
四診といって多角的に体の表面から五臓六腑や
精神面まで全ての情報を集めて
「証」という病名のような診断を下し
証に対して治療法を考えるのだが
そうやって頭であれこれ考えているだけの
鍼灸師は一流にはなれない
アスリートがよくゾーンに入るというような
表現をするが心が無になり勝手に体が動く感じ
一流の鍼灸師も体の声に耳を傾け
心を無にして手の動く所に静かに鍼を刺すのである
あんこ職人も石垣職人も鍼灸師も
職人である限り極意は同じなのかもしれない