- 腱鞘炎はもまないで!
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「先生ここが痛いんです」と
腱鞘炎でばね指の患者さんが訴える
「ここが痛いんですね」と触ってみると
「そのぐらいの押し方では痛く無いけど」と言う
腱鞘炎で炎症部位をこれ以上強く押すと
痛いのは当然だ!
腱鞘炎のばね指は腱が腱鞘の中を通過する時に
お互いの線維がこすれる摩擦で
炎症を起こして腱鞘が腫れて
通り道が狭くなってさらに
摩擦が強くなることでより炎症が激しくなり
腱鞘と腱が引っかかって曲げた指が
ロックしてしまい伸ばす時に
激痛とともにバネを弾いたように
パチンと伸びる疾患である
この患者さんは常に自分の痛いところを
強く押さえては痛い痛いと言っていたのだ
その事がばね指が治らない原因である事を
私の指摘で初めて知ったようである
私もこの患者さんがいつも
「ここが痛いんです」と言っていたが
そんなに強い力で押しているとは
思わずに「ここが炎症部位ですから」と
治療していたので
この患者さんが回復するスピードが
遅い原因が初めて分かった
腱鞘炎に限らず炎症部位を強く押すと
一瞬ちがう種類の痛みにすり替わるので
痛みが軽くなったような錯覚をおこす
だから誰もが痛いところを
強く押したりつまんだりしてしまうが
それは一瞬の錯覚であって
炎症部位を強く刺激した事で
5分後には更に炎症が激しくなり
以前よりも強い痛みが襲ってくる
この患者さんはそれを繰り返していたので
治るスピードが遅かったのである
今回はひょんな会話から治りにくい
原因が分かったので良かったが
このブログをご覧のみなさんも
腱鞘炎はくれぐれももまないようにしてください
そして無理なストレッチも止めて
痛い手をできるだけ使わないようにして
できれば患部を固定して安静にしてください。
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