• 2024/09/09
  • 鍼灸・東洋医学
包帯はほねつぎの命


今から40年以上も前の話
私は高校を卒業してすぐに
城東区の整骨院に住み込みで
働きながら柔道整復師の
養成学校に通いました

その時の師匠の口癖が
「包帯はほねつぎの命」だった

最近ではシップを止める時に
巻くだけになっているが

包帯の目的は主に
1.創傷部を外的刺激から保護する
2.シップなどを止める
3.骨折や脱臼などの固定
4.圧迫して止血する
5.圧迫して静脈還流を促す
6.骨折部の伸展や整復

本来包帯には上記のように
たくさんの役割があり
昔のほねつぎの先生は
骨折や脱臼を包帯と段ボールだけで
全て治していたのである

だから「包帯は命」なのだ

当院では首が痛いという患者さんに
夜寝る時に首に包帯を巻いて
寝ることをお願いする

するとほとんどの患者さんが
「え?包帯だけ巻くのですか?」と
不思議そうに聞き返してくる

それも当然の反応だ

包帯といえばシップを止めたり
膝を固定したり
ふくらはぎを圧迫したりする
道具だというのが常識だから

しかし

包帯には上記の1番の創傷部を
外的刺激から保護するという
大きな役割があり
実は包帯の一番すごい効果は
局部を包み込んで保護することなのだ

骨折した経験のある人は理解しやすい
と思うが

骨折するとジンジンザクザクと
激痛が起こりその痛みは安静に寝ていても
消えないがギブスを巻くと
途端に激痛が解消するのである

ナゼか?

痛みは危険を知らせる安全装置であり
骨折の場合は「骨折部位を固定しなさい」
という目的で痛みを発していた

だから固定されると痛みを発する
必要がなくなったので痛みが消えたのである

このことから人体は負傷部位や炎症部位を
固定や保護する必要がある時に
痛みを発することが分かってもらえると思う

人体は負傷部位や炎症部位を常に
修理しようとしているので
局部を固定して保護することで
修理がはかどるのである

特に夜間は成長ホルモンが分泌されて
損傷部位を修復する時間帯なので
痛い部分を包帯で保護すると
治癒する時間が飛躍的に短縮されるのである

現在の当院は鍼灸院であるが中医学だけが
全てではなく伝統的な「ほねつぎ」の
精神も大切にしているのである。



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