- 2019/05/21
- 院長のひとり言
- 根本的に効くツボを追求する
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この仕事を始めた頃は
人の体にステンレスの針を刺して
それで良くなる理由が全く分からなかった
と言うよりも鍼灸治療の効果を
信じていなかったのかもしれない
マッサージや整体のように
実際に筋肉のバランスや体の歪みに対して
揉む、押す、引っ張る、捻じるなどの外力を与える
要するに揉みほぐして、骨格の歪みを解消することによって
体の不調が緩和されるのは理解できた
だから鍼治療よりもマッサージや骨盤矯正をして
鍼灸治療はその一環として補助的に行っていた
その頃の私は一般の東洋医学を知らない人と
何ら変わらない認識だったのです
しかしある日
鍼を刺して抜く時に硬かった筋肉が
柔らかくなっていることに気付いたのです
しかも
いつものように最後のマッサージをしていると
柔らかくなっていた筋肉が再び硬くなりはじめたのです
その時「何で?」と思い
私なりに仮説を立てようとして考えた結果が
我々の体は生き物だということです
生き物であるかぎり
何か原因があって肩がこったり頭が痛くなったり
色々なアクションを起こしているのです
一度は弛んだ肩こりがマッサージしたとたんに
再びこって来るのは
鍼刺激で硬くなる原因が解消されて一度は弛んだが
マッサージをしてもらうと気持ちいいので
もっとマッサージをしてもらいたいから
再びこってきたのではないだろうか?
そう考えたら腑に落ちたのです
犬を撫ぜるともっと撫ぜてくれとねだってくる
奈良の鹿にエサを与えるとエサが無くなるまで欲しがる
我々の体にとってマッサージは非常に気持ちよくて
いつまでも揉んでいてもらいたいと思う
実際にマッサージ店に行くと
10分1000円、20分2000円と時間で区切っている
あれは時間で区切らなければ際限なく揉んでもらいたいからなのだ
だからマッサージすると体は
際限なく肩こりをつくり続けるのである
実は今でもハッキリと「こういう理由で鍼灸が効く!」と
言いきることは出来ないのですが
ただ
何かの理由で身体が痛みや不快感を出しているので
その原因の臓腑や邪気に対して効くツボに
針を刺すことで身体に変化がおきることは間違いなく
体は機械ではなく動物であることを理解して
体と向き合えばどこのツボに鍼を刺せば効くのか?
そのことが分かって来るのです
体の声に耳をすませば
だるい、しんどい、重い、苦しい、痛い、シビレル、など
体は必ず何らかのSOSを発信している
その反応は体のどこかにツボとして現れている
私たち鍼灸師はそのツボを見つけ出して
適切な鍼を刺すことができれば
根本的に原因から改善されて症状が解消するのです
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