• 2019/12/17
  • 院長のひとり言
悲劇は避けられなかったのか


子を持つ親にとってなんとも痛ましい事件である


元農林水産事務次官の熊沢英昭被告(76)が

自宅で長男=当時(44)=を殺害した事件は16日

被告に懲役6年の実刑判決が言い渡された。(時事通信社)


農水省の事務次官まで務めた人が

発達障害の息子の家庭内暴力に耐えかねて

我が子を殺害してしまった事件である


裁判によって殺された息子さんの

様々な暴力が明らかになり

ニュースを見ながら「この人は悪くない!」

「情状酌量で無罪にしてあげて」と

思わず口に出ていたほど同情してしまった


しかし

殺意を持って人を殺めたのだから殺人罪になる

やはりどんな事情があろうとも

人を殺すことは許されない

だから情状酌量の余地があっても

実刑6年という厳しい判決が出たのだと思うのである



家庭内の事はなかなか人に相談できないもので

子供が障害者で就職できなくて引きこもっていて

家の中がゴミだらけでしかも家庭内暴力で困っているなどと

もしも自分がこの人の状況だったら

誰にも言えなかっただろうと思う


しかし、だからこそ私たちは

この痛ましい事件を見て

「息子を殺す」以外の選択肢は無かったのか?


いくら困ったとしても

どんな状況だったとしても

我が子を殺すなどという悲劇がおこって良いはずがないのだ



病院や警察、福祉事務所など公的機関もあるが

その前に悩みを打ち明ける友人が居たのだろうか?


疲れ果てて打ちひしがれた心を

癒し、許し、救いの手を差し伸べる教会のような

そんな存在があればこの事件は

回避できたのではないだろうか?


一人で思い悩んで心の中で何度も息子を殺しただろう


そんな時に何でも相談できて

心の支えになってくれる人がいて

「大丈夫!みんなで何とかしよう」と

言ってくれていたら

違った解決法があったのではないだろうか?


私はこの事件を見て

本当に困った時に相談できる人

話を打ち明けることができる人

心から信頼できる友人がいる事が

人生を大きく左右するのではないかと思ってのでした。




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