- 2020/06/18
- 院長のひとり言
- 鍼灸治療と他の手技療法を併用したら全く効果が得られないことがある
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「整体やマッサージなどと鍼灸治療は全部
手技療法なので違いが分からない」と患者さんが言う
整体と言っても星の数ほど種類が多く
どこも自分の手技が日本一だと主張している
基本的に整体とは書いて字のごとく
「体を整える」が施術の目的であり
具体的には背骨や骨盤などの歪みを正して
体の力学的バランスを調整する治療法だと思います
体のバランスが悪い人に有効な手技です
マッサージは筋肉疲労や肩こりを揉みほぐすことで
筋肉の緊張が緩み症状が軽減する手技です
疲れがたまって肩こりの人や
アスリートのメンテナンスに有効な手技です
鍼灸治療も手技療法なので整体やマッサージと
同じようにバランスを整えたり筋肉を
揉みほぐしたりする事が目的のように思われるかもしれませんが
5000年前に中国発祥の鍼灸治療が現在世界中で
信頼される治療法となっているのは
筋肉とか背骨とかそういうパーツに対する手技ではなく
中医学という医学的根拠に基づいた治療法だからです
中国では漢方薬、鍼灸、推拿という3つの治療法があり
病院で医師が保険治療している医療なのです
中医学の基本に「整体観念」があり
人体は宇宙や大自然の一部であり
大自然に浄化作用があるように人体にも
自然に治る力が備わっていると考えます
病気や不調があっても体にそれを自然に治す
システムがあり病気や不調が治らないのは
そのシステムが上手く働いていないからなのです
鍼灸治療はこの考えを基本とし
全身のツボを針と灸で刺激して気血を巡らせて
体の持つ自然治癒力を最大限に引き出します
すると本来の治るシステムが稼働して
体が自ら患部を治療して根本的に治癒します
当院へ来院される患者さんのほとんどが
整体院や整形外科などを何軒も渡り歩いて来ているので
以前の治療院で指導されたストレッチや体操を
継続しながら鍼灸治療をプラスしたら
もっと良くなると思われる方が多いのですが
鍼灸治療は体が自分で治っていくのを促す治療法なので
鍼灸治療の後に患部を安静にしないで
ストレッチやマッサージをすると
せっかく体が治そうとしているのに
患部を引き伸ばしたり押したり揉んだりして
邪魔をしてしまって治すことができません
だから
鍼灸治療をしている時には以前の治療法は
全て忘れて積極的に安静に努めていただきたいのです
鍼灸治療は当院での施術だけでは50％であり
患者さん本人が安静に努めて初めて100％となるのです
鍼灸治療は医療として確立された手技療法なので
他の手技療法やストレッチと併用したら
逆にまったく効果が得られない事があります
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