- 2021/03/09
- 鍼灸・東洋医学
- 電気修理と治療は似ているが根本的に違う
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先日、診療中にいきなりブレーカーが落ちて
治療室が真っ暗になった
患者さんが冷静にしてくれていたので
助かったが原因が分からなかった
その後もたいして電気を使っていない時に
ブレーカーが落ちたので漏電している恐れがあり
電気屋さんに見てもらったが
14基あるブレーカーを丁寧に見てもらっても
どこも悪いところが見当たらない
困った電気屋さんが
「漏電がひどくなると落ちたブレーカーを
元に戻せなくなるなるので
その時は、まず全部のブレーカーを落として
その後1つずつ戻していくと悪いブレーカーが分かる」と
教えてくれた
そして
その日の午後診の最終の患者さんを治療中に
ブレーカーが落ちて戻らなくなり
電気屋さんに教わった通りにやると
すぐに漏電しているブレーカーが分かった
悪いところさえわかると修理ができる
この経験から電気修理と診察はとても似ていると感じました
腰痛などの良く見る症状を診察する時でも
一番重篤な疾患の可能性を否定して
それから色々な可能性を否定していき
最後に一番可能性が高いものを原因とする
とにかく症状の原因を正確に把握しなければ
的確な治療ができない
症状の原因を考えずに対症療法を繰り返しても
なんの解決にもならないからである
そういう意味で電気修理と鍼灸治療はほとんど同じだ
ただし
電気修理は原因が解れば故障したところを
修理したり部品を交換すればいいので
お金さえ出せばその場で元通りに復旧が可能だが
鍼灸治療はそうはいかない
損傷や炎症していれば修復する期間が必要だ
変形や狭窄があるからといって部品交換はできない
人間の体は部品を交換できない代わりに
自然治癒力があり炎症部位や損傷部位を
自力で治す力がある
鍼灸治療はその自然治癒力を最大限に高める技術だ
電気修理はお金さえ出せばその場で治るが
治療はそうはいかない
正確な診断と正しい治療方針に従って
患者さんと治療家が一緒に辛い状態から
開放される努力をする必要がある
そのためには患者さん自身がお金も出すが
自分自身が治る努力をする決心をする必要がある
要するに原因が分かっていて
治療方針がはっきりしていても
治る努力をしないような治る気のない人は
いくらお金を積んでも治らない
そこが電気修理との大きな違いである。
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