- 2022/02/23
- 鍼灸・東洋医学
- お相撲さんでも使う鍼は同じです
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当院のある藤井寺市には以前
春場所の頃に大鵬部屋が
葛井寺で稽古部屋を設けていたので
当院にもお相撲さんが
怪我の治療に来られていた
場所の中日を過ぎると捻挫や打撲で
みなさん満身創痍で相撲をとっておられた
そんなある日
ひどい腰痛を起こしたお相撲さんがいて
明日も土俵に上がりたいので
なんとかして欲しいと泣き付かれて
ここは「針通電しかない」
当時は鍼灸師の資格をとって2年目で
脈の取りかたも舌の診方も知らない
素人同然の私だったので
体格の良いお相撲さんなので
うつ伏せにさせて一番太くて長い針を
腰の8ヵ所に深く刺し
低周波を20分通電した
ところが腰痛が治まる様子は全くなく
しかたがないので氷で冷やして
腰の感覚を麻痺させて
テーピングと包帯で固定して
「痛みが和らいだでしょ」と
ごまかして帰らせた
ところが次の日にそのお相撲さんが
土俵に上がることはなかった
それどころか鍼治療した日の夜に
発熱しひどい頭痛と吐き気と嘔吐に襲われ
一晩中苦しんだそうである
完全に私の鍼灸治療の失敗のせいで
ドーゼオーバーを起こして
「鍼当たり」の症状が出てしまったのである
私はこの事があって初めて
体格や体型は鍼刺激の許容量には
関係しない事を知ったのである
あまりにも未熟なころの失敗談だ
それから後も治療した日の夜に
患者さんが救急車で運ばれたことが
2〜3回以上はあるように記憶している(笑)
鍼灸師はこのような失敗を繰り返して
脈や舌、肌のキメの細かさなどの
多角的な観察を勉強するようになり
やがて一人前の治療家に成長する
あれから30年ほどたち
今では体格や体型に関係なく一人一人の
鍼刺激に対する許容量を見定めて
髪の毛ほどの極細の鍼を
ほんの1〜2mm刺すだけで
効果抜群の鍼灸治療が実現している
鍼灸師は腕が上がれば
鍼の本数が減り鍼の太さも細くなるものだ
あの時のお相撲さんには気の毒な事をしたが
あの失敗がなければ今の当院はないだろう
お陰で安全で痛みの無い鍼灸治療を
実践できるようになった
若い時に私の下手くそな鍼治療で
逆に辛い思いをさせてしまった
全ての方々に感謝いたします
本当にすいませんでした(笑)
と言う訳で身体が大きいとか小さいとか
太っているとか痩せているとか
そういう既成概念にとらわれずに
一人一人のその日の体の状態を
多角的に診察することで
誰にでも極細の鍼を少数刺すだけで
まったく痛く無く安全に
治療することができるのです。
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