• 2022/03/04
  • 鍼灸・東洋医学
「冬病夏治」「夏病冬治」①


「冷え症のツボをお願いしたいのですが」

よくある会話である


「肩こりのツボ」「腰痛のツボ」

「不眠症のツボ」「食欲不振のツボ」などなど


書店でツボのマニュアル本を見ると

上記のように

「○○のツボ」という表記でツボを紹介しているが


実は中医学にそのような表記はない

書店に並んでいるマニュアル本に書いてある

「肩コリのツボ」というのは

その本の著者の人が

「肩こりによく使うツボ」という意味であり


一部の特効穴以外は実際にそのような

「○○のツボ」がある訳ではないのだ


そころで冒頭の「冷え症のツボ」だが


中医学では冷えやすい状態を「寒証」という

おおまかに気血の「滞り」や「詰まり」又は

「血虚」と言って血の量が不足しているのと

3つの原因からくる症状と診る


それは一人一人診察して始めて分かるので

中医学では原因も考えずに「寒証のツボ」などと

ツボを決定することはできないシステムになっている


だから冷え症の人の症状を改善するためには

まず診察してその人の寒証のタイプが

滞り、詰まり、血虚のうちのどれなのか?を

確定診断しなければならない


その上で


「滞り」であれば気血の滞りが改善される

ためのツボを刺激するのである

だから効果がある


マニュアル本に書いてあるような

そのツボを使えば誰にでも

冷え症が治るツボは無いのである


だからもしもあなたが

冷え症でお困りなら

「冷え症のツボをお願いします」ではなく

「私の冷え症の治療をお願いします」と

言ってもらうのが正しいのである


つづく



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