- 頸肩腕症候群
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首の付け根の鎖骨の上あたりを押さえて
「ここを押して痛かったら悪い証拠ですか?」
グリグリしながら患者さんに問いかけられて
「そんなところを乱暴に触らないで」と
慌ててしまった
何かの健康食品の営業マンに
そこを押さえて痛かったら
老化の兆候であり栄養を補わなければならない
などと言われたらしいが
そこは誰でも痛いところであり
詐欺のような商法に惑わされているのだ
鎖骨の上には重要な血管や神経があり
脂肪や筋肉も少ない
そんな所を押さえると直接
血管や神経を押さえつけることになるので
下手をすると手にシビレが出たり
麻痺を起こすこともありえる
頸肩腕症候群という疾患があるが
腕神経叢という神経と鎖骨下動脈が
圧迫されておこる手のシビレや痛みである
患者さんが押さえた場所は
その神経と血管が筋肉の間から出てくる所で
直接触ることができる場所なのだ
頸腕症候群は頸椎から出た
神経や血管が狭い所で
筋肉に圧迫されて起こるものなので
緊張している筋肉を緩めることが
治療になるのだが
一番間違ってはならないことは
指圧すると筋肉がゆるむ前に
逆に神経や血管を圧迫してしまい
痛みやシビレが激しくなってしまう
だから頸腕症候群に指圧はNGなのだ
鍼灸治療は緊張している筋肉に
直接施術できるので安全で
最も効果的な治療法と言えるのである
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