SNSで「膝痛の原因は脳」という
東大の先生が書いた本が無料でもらえる
広告を目にしたが
当院での臨床上
神経障害性疼痛や心因性疼痛などの
脳や神経そのものが原因のケースは稀である
膝痛でも腰痛でもやはり
局所に老化やオーバーワークや外傷などで
骨や関節に炎症が起こっている
その炎症を鎮めることが第一なのだ
その事に気付かずに
レントゲンやCTなどの画像診断で
特に目だった所見が無いという理由で
局所に異常なしだから原因は脳である
こんな乱暴な診断で
運動療法や認知行動療法を指導しているから
東大病院であっても変形性膝関節症の患者さん達は
どんどん悪化していき手術が必要になるのだ
痛みには大まかに3種類あり
「侵害刺激」「神経障害性疼痛」「心因性」
侵害刺激には外傷や炎症があるが
慢性膝痛のほとんどの原因は炎症である
炎症の症状には「疼痛」「熱感」「腫脹」「発赤」がある
私の目には明らかに腫れていて
手を当てると熱い症状の人でも
病院でレントゲンやCTで異常所見が見られないと
原因は脳であると診断されるようだ
局所を診て手で触るお医者さんなら
炎症が原因だと一目瞭然なのに
画像診断に頼りきりで患者の体を
診ないお医者さんがいかに多いことか
「膝痛の原因は脳」というような気をてらった本が
世に出回ると今以上に局所の状態を
診て触るお医者さんが少なくなって
さらに誤診が多くなり
変形性膝関節症で手術を余儀なくされる人が多くなるだろう
膝痛で悩んでいる人は絶対にこんな本を
読んで惑わされないようにしてください。
