• 2024/05/02
  • 院長のひとり言
選択的夫婦別性は国民生活全体にかかわる問題である


結婚しても夫婦が別々の苗字を
名乗る事が許される法案が
議論されているようだ

我々の世代は結婚して嫁に
入るのだから養子でないかぎり
男性の苗字になるものだ

という固定観念を持っているが

実は結婚後に夫婦のいずれかの
氏をせんたくしなければならない
制度を採用しているのは日本だけで

アメリカやイギリスは
選択的夫婦別氏を認めているし
カナダや韓国、中国などは
夫婦別氏が原則とされているそうだ

私は韓国の時代劇を良く見るが
あんなに家族を重んじる国で
夫婦別氏を制度としているのは
驚いたが世界ではそうらしい

日本でも世界大戦後の昭和22年に
今のように結婚後はどちらかの
苗字を選択しなければならなくなったようで
それ以前は庶民には苗字がなかったので
そんな悩みはなかったようだ(笑)

この法案が可決されれば
結婚しても別々の苗字の夫婦が増える

当院では30年間で事実婚のご夫婦が
3組ほど来られていたが
夫婦なのに違う名字でお呼びするのが
他の患者さんの手前逆に変な感じがして

苗字ではなく「ご主人どうぞ」
「奥さんどうぞ」と呼んでいた

これからは夫婦で来られて苗字が違っても
事実婚か?夫婦別性を選択したのか?
その違いは判らないことになるので
健康保険の本人確認を確実に行う必要がある

しかもその子供はどちらの
苗字かも判らないので
医療機関などでは少し混乱するだろう

子どものことを考えるとどちらかの
氏に統一してあげたほうがいいと思う

私も世の中のシステムとして
選択肢が広がる事には賛成の立場だが
日本の風土風潮にはそぐわない気がする

一番いいのは結婚して銀行などで
「彼の苗字で呼ばれてみたい」と
胸キュンする相手と結婚してもらうのが
一番平和な世の中なのではないだろうか

いずれにしても選択的夫婦別性は
全国民生活に大きな影響のある事なので
もっと国民に問いかけて議論を深めてもらいたい

間違っても政府の閣議だけで決めて
しまわないでもらいたいと思うのである。




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