• 2025/02/08
  • 鍼灸・東洋医学
鍼灸師の仕事は野球と似ている

私は常々鍼灸師は「職人でありたい」と
思っている

同業者には何件も鍼灸整骨院を経営
する人もいるが私は経営者になるより
一人の職人として達人を目指したい

鍼と灸という古代から変わらない
単純な道具で関節痛や神経痛
小児疾患から婦人疾患まで幅広い
分野の疾患を治療することができる
そんな鍼灸師は達人である

現代医学に親しんで育った者にとっては
身体に鍼を刺して何の効果があるのか?
ステンレスの鍼を刺して痛みがとれる
意味が分からない

実は私もそう思っていた

しかも養成学校で習った鍼灸の治効理論は
あまりにも稚拙で納得できるものではなく
今でも信ぴょう性のある学説はない

国家試験に合格して鍼灸師の資格を
取得して家族や友人に鍼を打つ練習を
させてもらうと「もうやめてくれ」
「二度と打たせない」痛いだけ
逆に症状がひどくなったと非難され

やっぱり鍼を刺してもいい事なんか
何もないのだ

そう思って整骨院業務に励み
毎日20~30人のマッサージをこなして
10年ぐらい過ごしたある日

「近くの鍼灸院の先生が体調不振で
閉院されたので鍼灸の先生をさがしている」
という患者さんがやって来た

まったく自信もなく半信半疑で
どんな治療をしてもらっていたのか
聞きながらその通りに施術してみたら

気に入って通院してくれるようになった

どんな体位でどこのツボにどんなふうに
鍼を刺してもらっていたのか
前の先生がやっていた治療の手順を
詳しく説明してくれたから出来たのだが

この患者さんのお陰で鍼灸治療に対する
私の印象が大きく変わった

それまでは「鍼灸治療よりもマッサージの
ほうが効果ありますよ」と言っていたのに
「鍼灸治療も効くときは効きますよ」(笑)



つづく


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