- 鍼灸師の仕事は野球と似ている
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私は常々鍼灸師は「職人でありたい」と
思っている
する人もいるが私は経営者になるより
一人の職人として達人を目指したい
鍼と灸という古代から変わらない
単純な道具で関節痛や神経痛
小児疾患から婦人疾患まで幅広い
分野の疾患を治療することができる
そんな鍼灸師は達人である
現代医学に親しんで育った者にとっては
身体に鍼を刺して何の効果があるのか?
ステンレスの鍼を刺して痛みがとれる
意味が分からない
実は私もそう思っていた
しかも養成学校で習った鍼灸の治効理論は
あまりにも稚拙で納得できるものではなく
今でも信ぴょう性のある学説はない
国家試験に合格して鍼灸師の資格を
取得して家族や友人に鍼を打つ練習を
させてもらうと「もうやめてくれ」
「二度と打たせない」痛いだけ
逆に症状がひどくなったと非難され
やっぱり鍼を刺してもいい事なんか
何もないのだ
そう思って整骨院業務に励み
毎日20~30人のマッサージをこなして
10年ぐらい過ごしたある日
「近くの鍼灸院の先生が体調不振で
閉院されたので鍼灸の先生をさがしている」
という患者さんがやって来た
まったく自信もなく半信半疑で
どんな治療をしてもらっていたのか
聞きながらその通りに施術してみたら
気に入って通院してくれるようになった
どんな体位でどこのツボにどんなふうに
鍼を刺してもらっていたのか
前の先生がやっていた治療の手順を
詳しく説明してくれたから出来たのだが
この患者さんのお陰で鍼灸治療に対する
私の印象が大きく変わった
それまでは「鍼灸治療よりもマッサージの
ほうが効果ありますよ」と言っていたのに
「鍼灸治療も効くときは効きますよ」(笑)
つづく
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