一昨日NHKで「包帯王選手権」という
全国の柔道整復師が包帯の技術を競う
番組をやっていた
第19回というので19年前から
この大会は行われていたようだが
そんな大会がある事を私は知らなかった
主催が東京の小さな協同組合のようだったので
全国的に宣伝がされていなかったのだろう
だけど今回のようにテレビで放映されるのなら
東京まで自腹で行っても優勝すれば
良い宣伝になるので知っていれば
私も出場したかもしれない(笑)
などと思いながら見ていた
今ではテーピングや伸縮性の包帯を
組み合わせて固定することが多いので
綿の包帯だけで固定することに
それほど意味を感じられないが
「包帯はほねつぎの命」であり
どこか飛行機や船の中で怪我人が出て
医師も看護師も治療器具も
何も無くても柔道整復師の包帯の技があれば
そのへんにある布きれや棒きれで
固定することができる
とにかく柔道整復師は医師と違い
レントゲンも薬も注射も使わずに
段ボールや割りばしやガムテープなど
どこにでもある物で応急処置をする事ができる
柔道整復師はそういう自覚とプライドを
忘れてはならないのである
試合のルールは足関節をいかに早く
綺麗に頑丈に固定するかを競う
テレビを見ながら資格試験で振るえる手で
足関節からふくらはぎの包帯を巻いた
若き日の事を思いだした
整骨院経営をしている友人の話を聞くと
整骨院はマッサージや矯正が主な仕事となり
深夜営業のマッサージ屋さんのようになっていて
捻挫や打撲のような外傷を治療することは
皆無になっているようだ
当院においても今はテーピングやサポーターなどを
組み合わせて快適で合理的に固定するので
綿の包帯は滅多に使うことはないが
皮膚の問題やいろいろな理由で
綿の包帯だけで固定しなければならないケースもあるので
柔道整復師はいつでも完璧に包帯固定が
施せるように日ごろから腕を磨いて
精進しなければならないと思っている
そういう意味でこのような大会を開いて
とにかくほねつぎのプライドを
失わずに頑張っている柔道整復師が
いてくれる事に嬉しく思ったのである。