• 2023/01/19
  • 鍼灸・東洋医学
東洋医学の神髄は身体の意思を尊重すること


東洋医学の一番の特徴は
「整体観念」である

これは宇宙も大自然もこの世に
存在する全てが一つの整体であり
大自然が持つ浄化作用と同じように
人には自然治癒力という強力な
浄化作用を備えているという考えである

だから東洋医学では
身体を物体として扱うのではなく
意思のある動物として捉える

この事を具体的にイメージするには
我々の体と心の関係を整理する必要がある

我々の体は60兆個の細胞の集まりで
その細胞のほとんどが本人の意志とは
関係なく働き
心臓が動き、呼吸をし、消化したりして
生きている動物である

魂は輪廻転生して何度も生まれ変わる
我々の生命エネルギーそのものである

これから産まれようとしている
体に我々一人一人の魂が宿り
体は思い通りに動いてくれている

ここで「体」と「魂」と「心」という
三つの関係を知らなければ
東洋医学の難解な学問を理解できない

私の解釈では「体」に「魂」が宿り
体と魂のエネルギーのバランスが良ければ
「いい心づかい」ができるが
体と魂のエネルギーバランスが崩れると
心は乱れて怒りや不安や恐怖にさいなまれる

俗に心は心臓にあるのか?
それとも脳にあるのか?

そんな論争があるが
中医学において五臓六腑全てが
意思を持っていて常にお互いを
支え合い牽制しあって心のバランスを
保っていると考えられている

少し難しくなり過ぎたが
まとめると、「体」に「魂」が宿り
「心」とは実態がなく使うものであり
体と魂のエネルギーバランスで
良くなったり悪くなったりする

まあ、ざっくりと「体」「魂」「心」の
三つの関係をイメージしてもらえれば
東洋医学と西洋医学の違いが
分かってもらえると思うのである

東洋医学では体を物体と見るのではなく
自然界に生息する動物と認識している

だから熱い、寒い、美味い、不味い
良い香りとか悪臭であるという
体の意志を感覚として我々に伝え

我々は寒ければ暖を取り
不味くて悪臭を放つものは危険と見なして
食べないようにすることで
安全で健康に生活することができるのである

中でも「痛み」は危険を知らせる
重要な感覚である
痛みがあるということは
体が「危険だよ」「安静にして下さい」
「固定してください」などという
メッセージを出しているので
それに従うことで危険を回避して
健康に生活できるのです

当院で痛みの局所を絶対にマッサージや
指圧、ストレッチをしないのは
整体観念という概念を重視し
体のメッセージに従っているからです
だから病院では治らない慢性痛が
どんどん治っていくのです。


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