- 「五十肩」と「頚椎症」鑑別は簡単なのに
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当院に長い間通院していたが
高齢で運転免許を返納したので
当院まで通院する事が困難に
なって1年以上会っていない人と
町でバッタリ出会った
この方は10年以上前に
手足が夕方になるとシビレたり
夜間に陰部が痛くなったりして
どこの病院でも分からないと言われ
当院の鍼灸治療で治まって以来
自転車で転倒して膝を捻挫したり
銭湯で転倒して腰を捻挫したりして
ずっと通院していたので
1年ほど前に免許返納した頃には
どこも痛くなく何も不自由はないが
週1回は通院されていた
ところが昨日会うと
「あれから膝の調子が悪くて肩は
五十肩で全身の調子が悪い」と言い
整形外科で毎日リハビリをしているそうだ
「五十肩ですか?」
「そうなんよ」と言いながら
肘を曲げたり伸ばしたりするのを見て
「ご飯食べるの不自由ではないですか?」
「手がこっちに来にくくて食べにくい」
「それは五十肩ではなく頚ですよ
早く違う病院へ行って頚の検査を
してもらって下さい」
五十肩は肩関節の炎症や仮骨化であり
肩関節の痛みと可動域の低下する疾患だ
だから肘を曲げることができないような
神経麻痺は起こらない
当院に通院できていればこんな事には
ならなかったのに
この症状を診て五十肩と診断するなんて
とんでもない医師がいるものである
頚椎症や頸部椎間板ヘルニア
胸郭出口症候群などの神経を圧迫する
疾患では腕にシビレや麻痺がおこる
麻痺を長期間放置すると神経が完全に
死滅してしまい手術しても
回復できなくなってしまうので
一刻も早く違う病院へ行って
適切な処置をしてもらわなければならない
医師を信頼しないと医療は成り立たないが
どこにでもヤブ医者はいるものである
言われた通りに通院しているのに
何カ月も治らない場合は診断そのものが
間違っている可能性が高いので
速やかに違う病院で診てもらう必要がある。
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