• 2024/07/01
  • 院長のひとり言
クルマの真後ろでバックの誘導をしてはいけない


6月30日のお昼前に茨城県
ひたちなか市の飲食店の駐車場で
高齢女性が運転する軽自動車が
バック駐車の際に女性2人をはね
1人が死亡し1人が骨盤骨折の大けがをした

運転していたのは81歳の高齢女性だったが
どうやらバック駐車の誘導を
クルマの真後ろに立って行っていて
クルマが勢いよくバックして止まらないで
クルマと壁に挟まれてしまったようだ

このニュースを見て
昔、病院のリハビリで勤めていた時に
同じようにバック駐車の誘導を
していて車が止まらずに

クルマと壁に挟まれて両足の
大腿骨粉砕骨折と骨盤骨折で
緊急手術をした患者さんを思い出した

当時25歳のとても綺麗な女性で
婚約者の運転する車を誘導していて
事故にあったものだった

この頃から整形外科では手術の後は
できるだけ早期に立位、歩行と
どんどん荷重をかけて厳しい
リハビリをするようになっていたが

彼女のリハビリは特に過酷を極め
その痛みと辛さは本人にしか到底
分からないものだったと思う

その上事故の衝撃で子宮が
破裂して生殖機能を失った

しかも事故を起こした自己嫌悪から
彼が辛くて彼女の顔を見ることが
できなくなってしまい
婚約を解消されてしまった

本当に失意のどん底の中で
血の涙を流しながらのリハビリをこなし
彼女は半年後に退院し

1年後に再び大腿骨に入っている
金属のプレートを外すために
その半年後に反対側のプレートを
外すために入院してきた

とても綺麗な女性だったが
どこかに憂いのような影があり
目は絶対に笑わない人だった

元々はスポーツインストラクターの
仕事をしていた人だが事故後は
町工場の経理の仕事をしていると話していた

結婚直前に婚約者の車のバック駐車の
誘導を車の真後ろに立って
行ったばかりに起こった悲劇だが
彼女が払った代償はあまりにも
大き過ぎたように思う

彼女は何も悪い事はしていない
なのにあまりにもひどい運命である

ただ一つ彼女が犯した過ちは
バックする車の真後ろに立ったことだ

だから私はバック駐車の誘導をクルマの
真後ろに立って行う人を見ると
危ないから車の横から誘導するようにと
注意しないではいられないのである。




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