- 主な症例と施術法
パーキンソン病
- 病名
- パーキンソン病
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1.安静時震戦初めは片方の手の軽い震えから始まる事が多い。何か物を持ったり字を書くときに震えは止まります。
2.歩行困難歩きにくくなり、小刻みに前かがみでバランスをとりながらあるくようになる。
3.動作の緩慢特に一歩目がでにくくなり、小刻みに歩くようになり、突進現象といって上体にたいして下半身が付いていけなくなり、小さな歩幅で走り出してしまう現象がおこる。
4.姿勢反射障害体の姿勢やバランスを保つことが困難になり、転倒するリスクが高くなる。
5.その他の症状仮面様顔貌といって顔の表情が乏しくなり額や頬が脂っぽくなる。便秘や起立性低血圧などの自律神経症状や鬱状態のような精神症状もあらわれる。
- 治療
- パーキンソン病の治療
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1、薬物療法パーキンソン病治療の基本は薬の服用です。亢パーキンソン病薬の内腹治療です。薬の中心的物質はLドーパで、脳内に不足しているドーパミンを補います。近年では補助薬を併用し、ドーパミンを受け取りやすくするドーパミン受容体刺激薬(ビ・シフロール、レキップなど)ドーパミンの放出を促進するアマンタジン(シンメトレル)、ドーパミン分解阻害薬のセレギリン(エフピー)などがあります。
2、遺伝子療法薬物療法を長期間続けていたり症状が進んでくると、Lドーパをドーパミンに変換するAADCという物質が不足してきて、効果が出にくくなるのでAADCの遺伝子を組み込んだ細胞を脳に注入する治療法。
3、食事療法タンパク質はLドーパの吸収を阻害することがあるので、薬の効果がかんばしくなときには、低たんぱく食事療法を指導されることがあります。Lドーパは腸の働きも阻害するので、食欲不振や嘔気、便秘といった症状が出やすいので、胃腸に優しい食事を心がけることが重要になります。
4、外科的療法脳深部刺激療法(DBS)と定位脳手術があり、どちらもパーキンソン病を治癒させることが目的では無く、薬物療法が効率よく効くために脳に電極を埋め込んだり、脳の一部を熱で焼いて破壊したりする治療法である。
- 注意点
- パーキンソン病の日常生活の注意点
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1、適度な運動で身体をほぐす軽く適度な運動で心地よいと感じる運動をして、からだをほぐし、散歩して人と会話を楽しんだり、音楽を聞いてリラックスをするようにする。ハードな運動で息が上がったりすると交感神経を刺激してしまい、転倒してケガをするリスクも高まるので、慎まなければなりません。
2、気分転換パーキンソン病は薬物の副作用もあり、気分が落ち込みやすいので、気分転換を上手にしましょう。楽しみを見つけたり、部屋の模様替えをしたり音楽鑑賞なども良いでしょう。
3、入浴熱いお湯は交感神経を興奮させますので、37〜38度くらいの少しぬるめのお風呂で、ゆっくりと疲労をとり筋肉をほぐし、リラックスしましょう。
4、便通をよくするパーキンソン病は便秘を伴うので、食物繊維が豊富な食事を心がけましょう。
5、転倒しない症状が進行すると筋の固縮により、歩くことが不自由になり、突進現象や姿勢反射障害によって、転倒すると大けがにつながるので、家の中に手すりを付けたり、段差を無くす工夫のしたり、外出には時間に余裕をもって出かけるようにしましょう。
- 症例
- 当院での症例
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Oさん 58歳 女性
13年程前にパーキンソン病と診断を受け、再初は、日々の仕事にも支障なく過ごしていたが、3〜4年前から薬が効かなくなり、徐々に症状が進行し、ドクターより、鍼灸治療で効果があるような話を伺い、インターネットで当院をのことを知り来院。
【所見】震戦、固縮、小刻み歩行などパーキンソン病の重症度分類では3度程度。食欲不振と便秘が著名で精神的にも抑うつ状態が強い。体の倦怠感と膝の変形性関節症の痛みが強い。
舌証 班 胖大舌 歯痕 舌尖赤脈 沈・細・硬 滑 左寸口 沈脈が強い
【弁証論治】肝気うっ血証 痰飲 血
2週間の鍼灸治療で、振戦が半減、声が半分戻り、さらに1ヶ月の鍼灸治療で、正常に近い動作の改善になり、筋肉の硬直は完全には消失しないが、不自由ない程度に改善した。 3け月後には、振戦も軽くなり、自由に動くようになり。現在も一週間に1回のペースで通院中。