- 主な症例と施術法
肘部管症候群
- 分類
- 肘部管症候群
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手根管症候群と同じようにてにシビレが現れる疾患で、肘の内側にある肘部管と呼ばれる神経の通り道で、神経が圧迫されたり、過度に引き伸ばされたりすることで、小指と薬指のしびれが起こる病気です。主な原因は長時間肘を曲げ続ける、肘の内側にガングリオンというしこりができたり、先天性や骨折による肘の変形、スポーツや仕事での肘の酷使などがあげられます。
【主な症状】・小指と薬指のシビレ・症状が進行すると小指の手の筋肉が痩せてくる・さらに進行するとシビレに加えて麻痺、筋力低下が著しくなる・肘の内側(尺骨神経が走っている個所)を押さえると、肘から指先に向かって強いシビレが走る。
- 肘部管症候群の検査・診断
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●肘部管症候群の診察・肘の内側を叩いて、しびれが出るかどうかを調べる・小指と薬指のしびれがあるかどうかを調べる・小指と薬指が正常に動くかどうかを調べる・親指と人差し指の間に紙を挟み、紙を引っ張った際に、親指が曲がらないか確認する検査(フローマンテスト)
●その他の検査・神経伝達検査:神経を2箇所から電気刺激をして、刺激の伝わる速度を調べる検査・画像検査:骨折がないか、神経を圧迫するものがないかなどを調べる・CT検査・MRI検査
- 治療
- 肘部管症候群の治療
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主な治療●しびれが軽度の場合・保存療法:安静にして経過を診る・NSIDs:痛み止めの薬・ビタミンB12剤:神経の回復を促す●しびれが強い、または神経が強く引っ張られている場合・手術:筋層下前方移行術、皮下前方移行術(神経を圧迫されている部位から前の方に移動させる手術)・固定:3-4週間固定する・リハビリテーション:関節が固まらないようにする、弱った筋力を回復させる●神経を圧迫している場合・手術:上腕骨内側上顆切除術(肘の内側の骨を切る手術)・固定:1週間程度固定する・リハビリテーション:関節が固まらないようにする、弱った筋力を回復させる
長期的な経過早期に治療を開始することで後遺症は残らずに済むことが比較的多い手術後、早い時期からリハビリテーションを行うことで指の働きが改善しやすい症状が悪化する前に病院に行き、診察を受けることが重要
- 症例
- 当院での症例
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Aさん 54歳 男性
学生時代に空手部の試合で右肘を骨折し、手術したが右肘に変形が残ってしまっている。その後も無理に練習していたので何度も右肘の痛みを訴えて、整形外科や整骨院で施術を受けていた。社会人になってからは、電気工事の仕事で重たい荷物を運んだり、頻繁にペンチで電線を切るような仕事をすると、右肘の内側が痛くなって、しばしば整形外科で野球肘を言われ、リハビリやマッサージを受けていた。半年前からシビレが強くなり、ペンチを落としたりして普通に仕事ができなくなり、大きな病院を受診すると肘手管症候群と診断をうけて、手術を勧められたが手術はしたくないので、整骨院や整体院へ行ってみたが、症状が全く改善せず痛みが悪化して、筋力低下とシビレが改善しないので当院へ受診した。
【所見】右肘関節可動域制限あり右肘関節内側部に圧痛、運動痛著名左小指、薬指のシビレと筋力低下
【弁証論治】1.肝陽上亢証2.痰飲
【治療】疏肝補陰・健脾化湿局所治療と肩や腰の全身治療肘関節と手関節の固定
【経過】初回の治療後に圧痛が楽になり一週間に3回通院で3週間目には全身症状は、ほぼ緩解1ヶ月で疼痛消失2カ月で圧痛消失し、軽いシビレが残る程度になった
普通に仕事をする事が可能になったので、その後は週に1回のペースで継続している