- 主な症例と施術法
腱鞘炎
- 病名
- 腱鞘炎
- 腱鞘炎は腱と腱鞘の間の摩擦によって生じた熱で起こる炎症です。腱鞘炎は治りにくい疾患の一つで、仕事や家事などで手を酷使する方が、手の調子が悪いのに安静にできず、痛いのを我慢して使い続けて腱鞘炎になるので、治療してもそれ以上に酷使するので良くならないケースが多いのです。 最後は指が動かなくなり腫れて熱をもち、夜も眠れないほど痛み、手術を余儀なくされることも珍しくありません。 当院では正確な炎症部位を特定し特効穴に鍼灸治療し、専用のサポーターで日常生活での症状の悪化を防ぐことのよって、重症の腱鞘炎を多数治癒させることに成功していますので、手術を勧められた方でも手術に踏み切る前に、鍼灸治療を受けてみていただきたいと思います。
- 種類
- 腱鞘炎の種類
-
腱と腱鞘の間の摩擦によって生じた熱で起こる炎症を腱鞘炎と呼ぶので、アキレス腱や肩関節、肘などで起こるものも腱鞘炎ですが、一般的に腱鞘炎というと手の指におこる、バネ指とドゥケルバン腱鞘炎をさします。
①バネ指(弾発指)草むしりをした、熱心に彫刻を彫った、編み物をしたなどと手を使いすぎた後に手の親指や他の指を曲げるときに痛みがあり、手のひらの屈筋腱に圧痛があり、ガクッというクリック音とともに指が曲がったままで、ロックしてしまい伸ばすことが出来なくなるものをバネ指(弾発指)といいます。
②ドゥケルバン腱鞘炎大掃除掃除や重たいものを長時間持つような作業をして手を使いすぎた時に、手首の親指側の長拇指伸筋と外転筋の腱と腱鞘との間で炎症がおこるもので。レンガを掴むような動きが最も痛みを誘発する。
- 治療
- 腱鞘炎の治療
-
腱鞘炎は仕事や家事などで手を酷使する方が、手の調子が悪いのに痛いのを我慢して使い続けて腱鞘炎になるケースが多いので、治療してもそれ以上に酷使するので良くならないケースが多いのです。そのため薬に頼り最終的に手術によって腱鞘を切開する人も少なくありませんが、その前に出来るだけ保存療法で治したいものです。
①薬物療法激しい痛みに対してステロイド注射や痛み止めの服用をする。効目が速く痛みがすぐに治まるので、我慢できないほどの激痛には良いが、簡単に痛みが治まるのでさらに手を使って悪化するケースが多く、薬が効かなくなると手術しかない。
②レーザー治療、低周波、超音波等の物療腱鞘の肥厚した部位をレーザーや電気治療で温める治療法。
③ストレッチ、マサージ肥厚した腱鞘や周辺の筋肉をストレッチやマッサージでほぐすことで、血行を促進し代謝を促し痛みを緩和する効果がある。炎症が著名なときは痛みで出来ないことがあり、誤ったストレッチやマッサージで悪化することも多い。
④固定腱鞘炎の治療で最もだいじなのが固定です。テーピング、シーネ、ギプス、固定用サポーターなど、バリエーションも多く、TPOによってうまく使い分けて治療します。どんなに完璧な治療をしても固定を怠れば根本的な治療をしたことにはならないので、当院では必ず患部を固定します。
⑤鍼灸治療炎症部位や肥厚部位、癒着部位や周囲の筋肉を直接治療できるので、最も有効な治療法といえます。ロッキングをおこしたバネ指でも一回でロックがとれることも珍しくありません。炎症や痛みが著名で他の治療法が出来ない場合でも鍼灸治療は可能です。薬で痛みが治まらない症状でも鍼灸治療で治まることがありますので、外科で手術を勧められたら、その前に鍼灸治療を是非お勧めします。
⑥手術腱鞘を切開して、腱の通り道を確保して癒着を剥します。局所麻酔でトロー状の物を差し込んで手術するので、昔のように入院もせず手のひらや手首に手術の大きな痕が残る事はないが、術後1か月は腫れむくみがおこり、完全に良くなるのに2〜3ヵ月かかります。腱鞘をただ切開するだけでそのまま放置するので新たな癒着が起こることもあり、神経を刺激して指先にシビレや違和感が残ることもあります。