- 主な症例と施術法
肉離れ(筋挫傷)
- 病名
- 肉離れ(筋挫傷)
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スポーツ外傷には捻挫のように関節が外力によって正常な可動域を逸脱して、無理に動いた時には関節に係わる軟骨や関節包、靭帯などの組織が損傷しますが、肉離れは関節では無く筋肉の損傷です。小学校の運動会で父兄参加型のリレーなどで、普段運動していないお父さんやお母さんが、いきなり若い頃のようにトップスピードで走って、肉離れになることがあります。また、逆に毎日毎日過剰な練習量で筋肉痛を起こしている状態で試合に臨み、思いきりジャンプしたり滑り込んだ時に肉離れになります。
【肉離れとは】筋肉の断裂を肉離れといいますが、当院では筋肉を包んでいる筋膜に傷又は亀裂がおこったことによる痛みを重視しています。肉離れによって負傷した筋肉に力を入れると断裂した筋肉が膨張し筋膜が引き伸ばされるので、負傷した筋肉を使うことができなくなります。
【筋肉痛とは違う】アスリートは毎日のトレーニングで、少しぐらいの筋肉痛はマッサージやストレッチなどで疲労をとっておけば、次の日には楽になっているので、肉離れを筋肉痛と勘違いして温めたりマッサージ、ストレッチなどでコンディショニングしておけば、痛みが楽になると思ってしまいますが、それがとんでもない結果になることが非常に多いのです。肉離れは筋肉と筋肉を包んでいる筋膜に傷がついているので、マッサージやストレッチをすると、傷口がどんどん広がってしまって、ひどい時は痛み止めも効かないほどの痛みになることまありますので、「いつもの筋肉痛とは違うかも」と思う時にはできるだけ早く専門の治療院で診てもらいましょう。
- 治療
- 肉離れの治療
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間違った応急処置をしていると回復期間が全く違ってきますので、肉離れの治療は応急処置がとても重要です。
①冷却
筋肉や筋膜が損傷されて出血していますので、氷でアイシングして一気に出血を止めます。
②圧迫
筋肉が断裂したり筋膜が裂けたりしているので、圧迫にすることにより患部の安定をはかり固定する。
③挙上
患部を心臓より挙上することによって出血を最小限に抑えて、出血を早く止めます。
- 施術法
- 実際の症例と施術法
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Sさん 45歳 女性
スポーツインストラクターのSさんはヨガ教室の指導中に右のフクラハギが「パチッ」と音がして、そこから一歩も歩くことができなり、教室の生徒さん達に医務室へ運ばれて、医務室で冷却プレーとシップなどをしてみたが、右足を床についてあるくことが困難だったので、タクシーで整形外科へ行き、レントゲン検査にて骨折はなく、肉離れという病名を言われ、帰るように言われたが歩けないので松葉杖を貸し出され、松葉杖で帰宅。シップしていたが痛みで夜も眠れないので整形外科で処方された頓服薬を服用して眠る。次の日の朝右の足が痛くて歩くことができないので、なんとか早く治したいとインターネットで調べて、当院を見つけてタクシーで来院した。
【所見】腓腹筋内側頭に2ヶ所の筋膜損傷を認める
弁証論治不安感、フラフラ感と脱力感が強い、筋力OK、不眠、胖大歯痕舌、脈浮大(証) 陰虚 痰飲(治則) 補陰 健脾化湿
【経過】初診 鍼灸治療後テーピング固定すると、治療前の疼きが消失し。
2診 初回で治療後すぐに疼きが消失、自信が湧いてきて今日は一人で自転車で来院した
3診 腓腹筋内側頭の硬結が半減し、スムーズに足を着いて歩くことが出来るようになる
4診 痛みがほぼ消失し自信をもって歩くことが出来るようになってきたので、テーピング固定除去し、下腿用サポーター装着する
5診 経過良好にて治療終了
【考察】自当院の鍼灸治療開始から7日で治療が終了したので、非常に上手くいった症例である。上手くいった一番の原因は負傷後生徒さん達が担いで病院へはこんだ事によって、負傷後の患部を安静に保つ事ができたことだと思われる。