整体観念
  • 天人合一(てんじんごういつ)
東洋医学生みだした中国では、農耕を中心とする生活を送ってきたため、太陽や月の動き、雨風などの天候や四季の移り変わりに関心を寄せてきた。その結果、人と自然界(宇宙)は密接な関係を持ち、人間は自然環境の変化に影響を受け、その変化にうまく適応して生きていることから、人と自然は統一体であると考えた。
天地間の自然現象も人体の生理現象も同一の原理によって支配されているという考え方を天人合一という。
つまり天人合一の思想では、天地間の自然現象を大宇宙とすると、人体の生命現象はその一環である小宇宙であり、お互い相応していると考えられている。



  • 天人合一思想と陰陽五行論
人体と自然現象は相応している…その一例が、四季の移り変わりと人間のからだの関係である。東洋医学では、五臓六腑や気血津液の状態に影響を与えると考え、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の気はそれぞれ、春・夏・長夏・秋・冬に旺盛となったり弱ったりする。
このように人体を自然と照らし合わせて考えることで、東洋医学を論理的・哲学的に説明することが可能となり、東洋医学的な診断と治療が行うことができるのである。



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